※あらすじはリンク先でご覧下さい。
※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。
※この分析は「ライターズルーム」メンバーによるものです。
【ログライン】
海嫌いにも拘わらず島に赴任することになってしまった新任警察署長ブロディは、家族を守り、また職務責任を果たすため、海洋学者のフーパ―や鮫ハンターのクイントらと共に、島を脅かす巨大人食い鮫退治に向かい、辛くも達成して、その厳しい経験から海嫌いを克服する。
【フック/テーマ】人食い鮫のビジュアル、鮫漁の過酷さ、個性的なキャラクター/海の危険、恐怖に立ち向かう勇気
【ビートシート】
Image1「オープニングイメージ」:「鮫に襲われる女性」おそらくは鮫の視点で海の中を進んでいくショット。その後海辺で騒ぐ学生たちが映され、一組の男女が示し合わせて海へ向かうのが分かる。男性の方は酔っているためダウンしてしまうが、女性の方は海で泳ぎ始める。しばらくして、彼女は鮫の餌食となった。
GenreSet「ジャンルのセットアップ」:「鮫に襲われる恐怖」冒頭で女性が鮫に襲われるシーンでジャンルがホラーであることがセットアップされる。
Premise/CQ「プレミス」/「セントラル・クエスチョン」:「鮫を退治できるか? 島に平和は戻るか?」
want「主人公のセットアップ」:「日の浅い署長」主人公ブロディは、まだ赴任して日が浅いアミティ島警察署の署長であり、妻と息子がいる。
Catalyst「カタリスト」:「打ち上げられた女性の死体」ブロディ宅に浜で死体が発見されたという報せが届く。昨夜一緒にいたという青年と共に現場に向かうと、女性は非常に無残な姿で打ち上げられていた。
Debate「ディベート」:「ビーチ閉鎖に動くブロディ」女性は鮫に襲われた可能性が高いため、ブロディはビーチを閉鎖しようと動くが、夏の観光収入が見込めなくなることを恐れた市長たちに「女性の死因はスクリューによるものだった」と書類を改竄され、阻止されてしまう。
Death「デス」:「第二の犠牲者」女性の死から数日後、海で少年が鮫の餌食となってしまう。
PP1「プロットポイント1(PP1)」:「鮫対策会議」市の鮫対策会議が開かれるが、被害少年の母が3000ドルの懸賞金をかけようとしたり、プロの鮫ハンターであるクイントが「俺を雇いたければ10,000ドル出せ」と宣言するなど混乱をもたらす。また懸賞金が駆けられたことで全国から鮫退治に人々が押し寄せることとなった。
F&G「ファン&ゲーム」:「二メートル級の鮫捕獲」一人のハンターが二メートル級の鮫を吊り上げる。
Pinch1/Sub1「ピンチ1」/「サブ1」:「鮫の腹の中」海洋学者のフーパ―は、検死結果から判断すると女性を食べた鮫はもっと大きいはずだとブロディに提言。二人はイタチザメの腹を裂いて中を調べたが、死体は見つからなかった。
MP「ミッドポイント」:「巨大鮫に歯と漁師の死体」フーパ―の船で真犯人である鮫の捜索中、地元の漁師の死体とホオジロザメの巨大な歯を発見する。しかし、死体に驚いたフーパ―は鮫の歯を落としてしまう。
Reward「リワード」:「真犯人の鮫が別にいるという情報」
Pinch2/Sub2「ピンチ2」/「サブ2」:「聞く耳を持たない市長」ブロディとフーパ―は、真犯人の鮫が野放しなので今海開きをするのが危険であることを市長に訴えるも、「証拠がない」と相手にされない。
Fall start「フォール」:「海開き」二人の説得も虚しく、海開きが訪れ、人々が海に入っていく。
Battle「バトル」:「鮫を警戒するブロディたち」
PP2(AisL)「プロットポイント2」:「第三の犠牲者」
DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「恐怖に沈む島民たち」
BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「海へ」市長がクイントを10,000ドルで雇い、彼とブロディ、フーパ―の三人で鮫退治に行くことになる。不安がる妻に見送られながら、ブロディたちは海に旅立った。
Twist「ツイスト」:「鮫との奮闘」鮫は予想以上に手強かった。吊り上げようにも釣り糸を食いちぎられ、樽を打ち込んで浮かび上がらせようにも怪力のあまり浮かんでこず、浅瀬に誘い込もうとしたところクイントが船を飛ばしすぎたためエンジンが出火してしまった。フーパ―が織の中に入って鮫の口内に毒を注射しようという決死の作戦に移行するも鮫の体当たりによって注射器を落としてしまい、失敗。ついには鮫がのしかかってきたことにより船が傾き、沈没。クイントが犠牲になってしまう。
Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「鮫を射殺」ブロディは何とかマストの上に逃れ、スキューバタンクを咥えた鮫の口に射撃。鮫は爆発するのだった。
Epilog「エピローグ」:「海嫌い克服~帰還」ブロディは運よく生き残ったフーパ―と合流し、海嫌いを克服したことを実感。樽を浮き輪代わりにし、泳いで帰っていった。
Image2「ファイナルイメージ」:「鮫のいない静かな海辺」
【作品コンセプトや魅力】
樽、毒液、檻など、様々な鮫との戦闘方法が楽しめ、サスペンスのテンポが良く最後までハラハラでき、時代を感じさせない迫力がある。
【問題点と改善案】(ツイストアイデア)
特に問題点は感じないが、ブロディが海を怖がるようになった理由に鮫を絡めれば、海嫌い克服のカタルシスが強まるように思った。
【感想】
最後まで観ると、怖いだけでなく勇気を与えられる作品。
「好き」5「作品」5「脚本」5
(脚本太郎、2025.3.18)