https://www.netflix.com/title/81579978
※あらすじはリンク先でご覧下さい。
※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。
【ログライン】
人工的に作られた人間に感情を作る研究をしているアンナは、人類滅亡の日に直面し息子と逃げ出すが、研究所に捕まり息子のデータを取られてしまい、自ら実験体となりシミュレーションを繰り返し、息子を見つけ出すことで新人類の「母と子」となり地球へ帰る。
【フック/テーマ】
人類が滅亡するほどの大洪水/母子愛、倫理
【ビートシート】
Image1「オープニングイメージ」:「目覚め」
ジャインの声で目覚める。ファイナルとは異なり、日常での目覚め。
ジャインのセットアップ、ワガママを言うお母さんっ子の要素を含む。
GenreSet「ジャンルのセットアップ」:「避難準備」
息子と洪水から逃げる=母子愛、スリラーのセットアップ。この10分ほど後に感情プログラムの会話が出てきてSFもセットアップされる。
Premise/CQ「プレミス」/「セントラル・クエスチョン」:「子どもを見つけられるか」
want「主人公のセットアップ」:「完璧な母親ではない」
ワガママな息子に手を焼いている母親。
人工的に人間を作ろうとしている科学者であり、息子はその実験体として作った人間。パートナーとは事故で死別している過去がある。
物語で登場するような完璧な母親ではなく、自分都合や感情で動こうとする。現代的な母親像としてリアリティがある。
Catalyst「カタリスト」:「洪水に気づく」
Debate「ディベート」:「うまく避難ができない」
様々な障害により避難、及び救助との合流に繋がらない。
Death「デス」:「救助と合流」
溺れそうなところをヒジュに助けられる。研究所側に捕まるの意でデスとなる。
PP1「プロットポイント1(PP1)」:「任務を告げられる」
人工人間(新人類)に感情を作る任務を告げられる。具体的なことがわからないまま任務スタート。
F&G「ファン&ゲーム」:「様々なトラブル」
ジャインと助かるために避難しているが、様々なトラブルに遭遇する。
Battle「バトル」:「ジャイン」
一時的な別れ。低血糖で危険な状態。データの回収を告げられる。
ジャインとの永遠の別れを予感させるバトルが積み上がっていく。
Pinch1/Sub1「ピンチ1」/「サブ1」:「妊婦」「ジス」
ピンチ1:産気づいた妊婦を見捨てる。母としての葛藤が生まれる。MPの母性に絡むのでピンチと判断。
サブ1:エレベーターに閉じ込められた女の子、ジスを助けることができない。後悔として残る。
同シークエンスの泥棒、その後に出てくる老夫婦宅のエピソードと関連してくる。
子どもへの後悔としてMPに絡むように見えないため、こちらはサブとして判断。
MP「ミッドポイント」:「ジャインの命乞い」
任務の全貌が明らかになる。
過去には手放そうとしたが、今は違う。データを取り出すとジャインが死ぬため、命乞いをする。母性が一番高まる部分。
Fall start「フォール」:「目覚め」
オープニングとは違い、すでに浸水した状態から一日が始まる。シミュレーションの始まり(だがアンナは気づいていない)
Pinch2/Sub2「ピンチ2」/「サブ2」:「出産」「ジスと老夫婦」
ピンチ2:出産を目撃し、ほんの少し助ける。子供の尊さ、息子がいない寂しさを感じる。
サブ2:ジスを助ける。一旦は別れるが、ジスの目的が老夫婦に会いに行くことだったので結果的に助けられることになる。※アンナは老夫婦宅で泥棒に襲われていた
PP2(AisL)「プロットポイント2」:「膨大な数の絵」
ジャインが昨日見た夢を描いたという絵。その絵が膨大な数あるとわかる。
それまでの感覚から、これがシミュレーションだと理解し、任務の変化に気づく。自分が研究者ではなく、実験体になっている。想定していた任務が消失するためAisL。
BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「ヒジュと結託」
何度もループしていることを説明し、研究所側から逃げながら息子と再会しようとする。
Twist「ツイスト」:「追手と津波」
再会を果たすが、追手と津波が迫る。ジャインを海に送り込む。
Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「海で再会」
追手から逃れ、海でジャインを抱きしめる。
Epilog「エピローグ」:「新人類として地球へ」
Image2「ファイナルイメージ」:「目覚め」
ジャインの声で目覚める。目の前には地球。新人類になって初めての目覚め。
【作品コンセプトや魅力】
ノアの箱舟のような洪水、災害、津波、水没、人工的に作られた人間、感情プログラム、新人類、母子愛、母性の発生、母としての成長、リアルな親子、シミュレーション下での変化、AI構造の中でループして磨かれる感情、倫理、壮大なCG、映像美、前半と後半のギャップ、サバイバル、スリラー、SF、ヒューマンドラマ、キム・ビョンウ監督、キム・ダミ主演、ハク・ヘス主演、韓流映画、ネトフリ
【感想】
「好き」4「作品」4「脚本」3
韓国らしい、細かい伏線回収が巧みな映画でした。
作品を通して、母としての成長や後悔を感じられます。思わず涙してしまったシーンもありますし、リアルな母子愛を伝えることに関しては成功していると思われます。
しかし、SFのセットアップ不足が否めず、人によっては前半と後半で混乱するかもしれません。
セリフでは研究者だと言っていても、過去のエピソードとして一番先に目にするのは車の水没事故。しかもこまめにフラッシュバックするものの、事件の詳細などは語られません。父親もノイズになっています。観客は「研究者」「水没事故」の両方を気にかけなくてはならず、没入を邪魔する要因になっていると思います。はたして水没事故は必要だったのか疑問が残ります。
研究に対してで言うと、もっと早くセンター長との会話を一気に見せてもらったという気持ちがありました。小出しにする意味はないように思います。
AIの構造の中で洗練される感情。その為のループ(シミュレーション)というのは非常に面白いので、その面白さのためにSFのセットアップが必要だと強く感じました。
ここからジャンルのセットアップに焦点を絞りますが、予告で感じるようなサバイバルやパニックは感じませんでした。心理的なスリラーのほうが強いように思えます。ジャンルを掛け合わせすぎて追いついていないというのが正直な印象です。
一方、映像としては韓国らしい小技が効いていると思いました。顔のシールやTシャツ、クローゼットの見せ方などは印象的です。また、雨の日の室内のライティングもアジア圏の空気が出ていてよかったです。CGも豪華ですし、映像として画として「映画を観ている」という満足感に繋がると思います。
(雨森れに、2026/1/23)
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