ドラマ『ブラック・ミラー』シーズン1「人生の軌跡のすべて」(三幕構成分析#275)

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※あらすじはリンク先でご覧下さい。

※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。

【ログライン】

記憶を記録するチップを首に埋めるのが当たり前の世界で生きる、失業しそうな弁護士リアムは、妻フィオナの友人のホームパーティーで、彼女が元カレのジョナスと楽しそうに話しているのを見て不信感を抱き、追及を続けるうちに浮気の証拠を見つけ、フィオナにジョナスとの情事の記憶を再生させ、失意と共に自分のチップを抉り出す。

【フック/テーマ】近未来のSF要素を利用した愛憎劇/記憶と人生の向き合い方、記憶に捉われすぎる不自由さ

【ビートシート】

Image1「オープニングイメージ」:「なし」

GenreSet「ジャンルのセットアップ」:「一週間後に記憶のチェック」冒頭で、主人公のリアムは会社が新体制になってからも残れるかの面接を受けている。もし選ばれれば「一週間後に記憶のチェックがある」という。この世界では記憶を頭に埋め込んだチップに保存して後から再生できるという、SFのセットアップ。

Premise/CQ「プレミス」/「セントラル・クエスチョン」:「記憶こそ、人生です」面接が終わってタクシーに乗り込むと、車内で「記憶こそ、人生です」というチップのCMが流れる。記憶と人生についての物語だということが分かる

want「主人公のセットアップ」:「妻子持ち、失業寸前の弁護士」妻のフィオナの友人のホームパーティーを訪れた際の会話で、リアムが妻だけではなく娘もいることが分かり、「失業寸前の弁護士」と自己紹介する。

Catalyst「カタリスト」:「フィオンとジョナスが話しているのを目撃」パーティーを訪れた際に、妻のフィオナとその友人のジョナスが仲良く話しているのを目撃する。

Debate「ディベート」:「ジョナスって誰?」フィオナにジョナスについて訊く。引っかかっている様子で、彼女たちが話す記憶を何度も再生する。その後、夕食でフィオナの友人の友人の『チップを犯罪者に盗まれたがむしろ快適』だという話や、『記憶の半分はゴミ』だという話、ジョナスの記憶と恋愛についての持論を聞かされる。

Death「デス」:「食い違い発覚」帰宅後フィオナにジョナスについて追求すると、かつてジョナスとの交際期間を『1週間』と言っていたのに、実際は『1ヶ月』だったことが判明する。

PP1「プロットポイント1(PP1)」:「こういうとき君はクソ女だ」口論の末、リアムはついフィオナに『こういうとき君はクソ女だ』と言ってしまう。フィオナはその言葉をチップで何度も再生し、二人の対立が明確になる。

F&G「ファン&ゲーム」:「過去の記憶を再生しながらセックス」リアムは謝罪し、二人はセックスをするも、それは過去のセックスの記憶を再生しながらのもので、二人の気持ちが離れていることを暗示させるような演出だった。

Battle「バトル」:「フィオンとジョナスへの追及」フィオナへの追求で、ジョナスとの交際期間が1ヶ月ではなく半年であったことが分かり、リアムは酒をたくさん飲んで酔っぱらったまま車でジョナスの家に向かい、彼のことも問い詰める。

Pinch1/Sub1「ピンチ1」/「サブ1」:「なし」

MP「ミッドポイント」:「ジョナスに、チップ内のフィオンの記憶をすべて消させる」リアムはジョナスを脅して、チップ内のフィオナの記憶をすべて消させる。

Reward「リワード」:「何かに気付く」

Fall start「フォール」:「ジョディはぼくの子?」フィオナへの疑いを確たるものに変えたリアムは、「ジョディはぼくの子?」「コンドームはつけたのか?」などと問う。ジョナスに記憶を消させる際、彼のチップに3ヶ月前のリアム宅でのフィオナの記憶があることに気付いたからだ。フィオナは浮気を認め、記憶を見せるように言われる。

Twist「ツイスト」:「フィオンが記憶を消そうとして止められる」

Pinch2/Sub2「ピンチ2」/「サブ2」:「なし」

PP2(AisL)「プロットポイント2」:「フィオナが記憶を見せる」観念したフィオナが泣いて俯きながら記憶を見せ、フィオナとジョナスの情事が部屋に流れる。

DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「過去の記憶を再生しながら家を彷徨う」フィオナのいなくなった寝室で、横になりながら過去の記憶を再生しているリアム。やがて立ち上がり、記憶を再生しながらの家を彷徨う。

BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「自分のチップをえぐる」鏡の前で、記憶の奔流に耐えかねたのか、剃刀を使って自分のスチップをえぐり取る。

Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「記憶の再生がフェードアウト」

Epilog「エピローグ」:「なし」

Image2「ファイナルイメージ」:「なし」

【作品コンセプトや魅力】

記憶をチップに保存して再生できるというSF的な世界観でありながら、現実的な男女の愛憎劇を通して記憶に捉われすぎることの不自由さを描いている。

【感想】

ディベートが長い分、ビッグバトルが極端に短いが、そのあっさりした幕引きが話の雰囲気に合っているように思う。同シーズンの他の作品に比べて設定が地味だが、自分は好きだった。
「好き」5「作品」4「脚本」4

(脚本太郎、2026.03.09)

『ブラック・ミラー』全作品採点

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