映画『SKIN』(三幕構成分析#108)

※この分析は「ライターズルーム」メンバーによるものです。

※あらすじはリンク先でご覧下さい。
https://www.netflix.com/title/81510831

【ログライン】

レイシストのジェフは、スーパーで出会った黒人男性をリンチするが、拉致され、入れ墨を彫られて息子に殺される話。

【ビートシート】

Image1「オープニングイメージ」:「髪を剃る」息子の髪を剃っている。長編では、その組織に入るのに髪を剃るという儀式みたいなものがあったが、ここではそういった意味があるのかは分からない。バリカンのアップで指のタトゥが映る。

CC「主人公のセットアップ」:「音楽/銃の遊び/息子に銃を教える」出かける車の中でメタル系の曲を聞いている。「世の中はクソ」と叫ぶ。また、到着した場所で銃を撃って遊ぶ。息子に銃を教え、的にあたるかどうかを賭けのネタとする。
「ジャンルのセットアップ」

Catalyst「カタリスト」:「息子が笑いかけられる」購入したものを買い物袋に入れている最中に息子が笑っていることに気付く。その相手をみると黒人男性だったので、「息子に何かしたか」と嫌な言い方をする。

Debate「ディベート」:「相手を罵る」黒人男性を馬鹿にして絡む。相手の容姿や話し方をからかい、差別用語も使用する。

Death「デス」:「言い返される」黒人男性に言い返されたことでキレるジェフ。奥さんに止められるが、無視して駐車場にいた仲間に電話をかける。

PP1「プロットポイント1(PP1)」:「スーパーを出る」自分の車に戻ろうとする黒人男性を追いかけていく。

Battle「バトル」:「殴る」黒人男性をジェフが殴ったことで、仲間も加わり、リンチする。一方的に殴り、最後にミルクをかけて車に戻る。車で去る際に子ども同志目が合う。

Pinch1「ピンチ1」:「」

MP「ミッドポイント」:「サーフィン」息子が乗ったソファーを車で引く遊びをする。それをサーフィンと呼んでいる。

Fall start「フォール」:「拉致される」サーフィンの帰り道。止まっていた車に近寄るとジェフが車の中に押し込まれる。それをトロイは見ており、車を追いかけるが追いつかない。車の中にいる黒人男性の息子は、車を追いかけるトロイを見つめる。

Pinch2「ピンチ2」:「」

PP2(AisL)「プロットポイント2」:「開放される」ジェフが開放される。テレビのニュースによってジェフは10日間行方不明になっていたことが分かる。

DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「自分の姿を確認する」自分の家にたどり着き、車の窓ガラスで自分の姿を確認する。水で洗おうとするが、落ちない。

BBビッグバトル:「ジェフであることを伝える」体の色は変わっているが、ジェフであることを伝えに家の中に入っていく。奥さんは、はじめは警戒していたが、ジェフ本人であることに気付く。その瞬間、息子によってジェフは撃たれる。

image2「ファイナルイメージ」:「」

エピローグ:

【感想】

好き5点 作品5点 脚本5点
短い脚本を書いて練習していることもあり、短編の映画を分析しました。
短い話の中で、銃社会の問題と人種差別の問題をとても上手く描いている作品だと思いました。子ども目線で描かれる部分も秀逸で、最後の展開だけでなく、ミルクをかける描写や蛇の話の表現方法も凄く好きでした。また、入れ墨を入れている間は会話がない演出にも引き込まれました。
ストーリーがしっかりとしているので、教育的な題材ですが、説教臭さは感じませんでした。とても考えさせられるものだったので何度も見返したいと思っています。
私の分析だとPP1が遅めですが、前半部分とPP1以降の緩急があり、逆に良いと感じました。長編の方も観ましたが、短編のこちらの方が好きでした。

(米俵、2023.1.6)

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