※この分析は「ライターズルーム」メンバーによるものです。
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【ログライン】
中年の危機にあるロジャー・マータフ(ダニー・グローヴァ―)部長刑事は妻の喪失で自暴自棄のマーチン・リッグス(メル・ギブソン)刑事と飛び降り自殺事件を追い、そこで浮かび上がった ヘロイン密輸組織を壊滅させる。
【ビートシート】
Image1「オープニングイメージ」:「飛び降り自殺」ジングルベル・ロックがかかって、夜のロサンゼルス市。高層ビルの最上階の部屋に若い女性が寝ている。彼女は麻薬を吸うと、ベランダに出て、外へと飛び降りてしまう。
CC「主人公のセットアップ」:「中年の危機にあるロジャー、妻を失い自暴自棄のマーチン」朝、ロジャー刑事の家。彼が入浴していると、妻や子供たちが50歳の誕生日ケーキを運んでくる。 ところが娘から「髭が白い」と言われ、落ち込んでしまう。この作品のテーマは「自殺」で、彼はこのままでは危険だ。そして、もっと危険なのがマーチンで彼は浜辺で犬とトレーラーハウスに暮らしている。彼は妻の喪失から自暴自棄になっている。「両手打ち」だ。ロジャーのもとにベトナム戦の戦友マイケル・ハンサカーから電話が来ていたことがわかる。
Catalyst「カタリスト」:「飛び降り自殺の女性は戦友の娘」10分たったころ、飛び降り自殺の現場でロジャーはその女性が戦友の娘だとわかる。
Debate「ディベート」:「マーチンを解任するか」マーチンは麻薬を買い求めている。交渉が決裂すると、彼は警察バッジを出す。彼は警察だったのだ。 銃撃戦となって、犯人に捕らえられたマーチンは自分と一緒に撃てと叫ぶ。動揺した犯人を取り押さえられるが、マーチンも興奮している。警察署では医者から彼は自殺志向だという。マーチンは解任されるのか。
(「ジャンルのセットアップ」「アクション」)
Death「デス」:「ロジャーの相棒になるマーチン」21分たったころ、ロジャーはマーチンを銃を持った悪者だと間違えて取り押さえるが、逆に倒されてしまい、新しい相棒だと告げられる。
PP1「プロットポイント1(PP1)」:「リーサル・ウェポンとして登録する」駐車場でマーチンはベトナムの特殊部隊にいたことを話す。ロジャーは彼をリーサル・ウェポン、人間凶器だという。自殺志向の仲間外れが相棒になりロジャーは不満だが、2人は飛び降り自殺事件の真相を追う、第2幕の「混乱の世界」に入る。
Battle「バトル」:「アマンダのパトロンとの銃撃戦」アマンダ・ハンサカーのパトロンの家に行くと、男と銃撃戦になってしまう。ロジャーは殺さないよう言うが、男が反撃したため、マーチンは撃ってしまい、男はプールで溺れて死ぬ。ロジャーは「殺さなかったことあるか」と言って、マーチンに助けられたお礼を言う。このおかしなやりとりが「お楽しみ」でもある。
Pinch1「ピンチ1」:「アマンダのパトロンとの銃撃戦」銃撃戦の後、ロジャーとマーチンの事件についての議論があり、第一発見者のディクシーの家に向かう。
MP「ミッドポイント」:「ディクシー宅爆発」58分たったころ、ロジャーとマーチンはディクシー宅に向かうが、突然家が爆発し、「いきなり危険度がアップ」する。怪しい男を見たという子供からマーチンと同じ特殊部隊のタトゥーがあったことを知り、メインとサブのプロットが交差する。
Fall start「フォール」:「マイケル・ハンサカー射殺」ロジャーはマイケルに真相を問い詰め、ベトナム戦をきっかけに生まれた麻薬密輸組織を知る。突然ヘリからヨシュアがマイケルを射殺する。ヨシュアは将軍に警察に真相を聞かれたことを告げる。
Pinch2「ピンチ2」:「マイケル・ハンサカー射殺」ロジャーに真相を聞かれたことが犯人たちにバレてPP2に向かう。
PP2(AisL)「プロットポイント2」:「娘が誘拐される」マーチンが聴き込みをしていると、ヨシュアから撃たれる。「死の香り」がすると、マーチンは自分が死んだと思わせることを計画する。ロジャーは娘の彼氏が殺されたことを知り、自宅に行くと、娘がさらわれていることを知る。ロジャーはこの映画が始まった時より悪い状況になる。
DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「電話のそばで」ヨシュアはマーチンが死んだと誤解する。夜、ロジャーとマーチンは犯人からの電話を待つ。
BBビッグバトル:「手当たり次第に殺す」75分たったころ、マーチンがロジャーに「手当たり次第に殺す」しかないという。ロジャーは「イカれてないな?」とマーチンに任せる。砂漠での銃撃戦で2人は救出に失敗し、拷問を受ける。マーチンがからくも脱出してロジャーと娘を解放すると、ナイトクラブで銃撃戦となる。ロジャーと将軍の対決で将軍は事故で自爆してしまい。ロジャーの家でマーチンとヨシュアが対決し、最後はロジャーとマーチン2人でヨシュアを殺す。
image2「ファイナルイメージ」:「墓参り、ロジャーの家でクリスマス」マーチンは妻の死を受け入れて、墓参りをする。そして、ロジャーの家に行くと、娘に銃弾をロジャーに返すよう頼む。マーチンは狂っていない。ロジャーがマーチンを引き留め、クリスマスを二人は過ごす。
【感想】
「好き」3点、「作品」4点、「脚本」4点
「相棒愛」(職業愛)の代表例。
キャラクター、「お楽しみ」の部分は面白いが、2人の内面のストーリーが今一つ弱く、盛り上がりに欠ける。作劇性も目立つ。
(川尻佳司、2023/3/5)