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※あらすじはリンク先でご覧下さい。
※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。
【ログライン】
アルビノで目に障害のあるラッパーの学生エルバンは、想い人のアガーテから好意を伝えるメッセージを受け取り、告白しようと意気込むも、彼を学校に送る友情ワゴンの同乗者であるダヴィッドのお漏らしにより遅れてしまう。そんな中、運転手のルビーがオムツを買うのをカフェで待っているとダヴィッドがエルバンのスマホからアガーテに電話を誤発進してしまい、緊張しながらも会話を試みるもメッセージはアガーテの彼氏によるいたずらだったことが分かり、エルバンは落ち込む。その後の友情ワゴンの中でダヴィッドと口論になり、ついに激怒したルビーに心ない言葉を言われる。傷ついて泣くダヴィッドを見て、エルバンは勝手に友情ワゴンを運転して、ダヴィッドの行きたがっていたライブに向かう。
【フック/テーマ】友情ワゴンを舞台にしたタイプの違う障害児二人のふれあい/障害児の人間関係
【ビートシート】
後ほど挿入します。
Image1「オープニングイメージ」:「アガーテからの留守電」アガーテからの、自分のラップを褒め、好意を 伝えるような留守電を聞くエルバン。「君もイケてる」と独り言で返す。
Catalyst「カタリスト」:「アガーテからの留守電」アガーテからの留守電はカタリストとしても機能している。
Premise/CQ「プレミス」/「セントラル・クエスチョン」:「告白を成功させられるか? 失恋を乗り越えられるか? ダヴィッドと仲良くできるか?」
want「主人公のセットアップ」:「『見えてる』と言い張るエルバン」アルビノで目に障害があるラッパーの学生エルバンは友情ワゴンに乗り、運転手のルビーから「見えないんだから音は聞いて」と叱られるも、意地を張って「見えてる」と言い張る。同乗の車椅子み乗ったダヴィッドのことはあまりよく思っておらず、軽くあしらう。
Debate「ディベート」:「アガーテのこと」エルバンがコロンを付けていたことから、ダヴィッドにアガーテのことを言い当てられ、さらにそれをルビーにからかわれて不機嫌になる。
PP1「プロットポイント1(PP1)」:「友情ワゴン発車」友情ワゴンが、薬を取りにダヴィッドの家へ向かう。約束の時間に間に合うか気にしつつ、エルバンの告白に向けた旅が始まる。
MP「ミッドポイント」:「アガーテと電話」車内で漏らしたダヴィッドのためにオムツを買いに行ったルビーを待つ間、エルバンとダヴィッドはカフェにいた。そこでダヴィッドはエルバンのスマホでアガーテに電話を誤発進してしまい、突然想い人との通話を余儀なくされた。
Fall start「フォール」:「誰?」頑張ってアガーテと会話を試みるエルバンだが、彼女はエルバンのことを知らなかった。 メッセージはアガーテの彼氏がいたずらで送ったものだという。
PP2(AisL)「プロットポイント2」:「アガーテに電話を切られる」 ショックを受けるも、どうにか会話を続けようと試みるエルバンだが、話してる途中に電話を切られてしまう。
DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「落ち込むエルバン」落ち込み、ルビーからの手伝いの要請も無視する
BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「ダヴィッドとの口論」 エルバンはダヴィッドが漏らしたことで遅れたのを責め、お互いに罵り合う。それに対してルビーがとうとう怒り、車を停車。「フランス最悪の障害児ね」とまで言って外の空気を吸いに出ていく。
Twist「ツイスト」:「通りすがりの女性」泣き出すダヴィッドを前に、エルバンは見かねたように運転席に座る。
Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「ライブへ」勝手に友情タクシーを走らせたエルバンはライブへ向かう。
Image2「ファイナルイメージ」:「楽しそうな二人」楽しそうにライブに向かうエルバンとダヴィッド。
【作品コンセプトや魅力】
障害児同士の関わりだけではなく、見えていないのに意地を張って『見えてる』と言ってしまったり、健常者からの目を気にしたり、いじめられていたり、失恋したりと、複雑な心情を詰め込みすぎない範囲で上手く描いている。
【感想】
障害児同士だけではなく、健常者も絡めた複雑な人間関係が描かれていて面白かった。登場人物に人間味があり、無理なく様々なモチーフが使われていたのも好印象だった。
「好き」5「作品」5「脚本」4
(脚本太郎、2025.9.29)