※あらすじはリンク先でご覧下さい。
※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。
【ログライン】
弁護士ジェロームの自殺に遭遇したマークは、マフィアが殺した死体の隠し場所を知ってしまい、FBIから隠し場所を証言するよう求められるが、報復を恐れて嘘をつき、信頼できる弁護士と出会うことで予め死体を確認して証人保証制度を利用し、家族と自身の安全を確保する。
【フック/テーマ】
死体の隠し場所を知る子供/嘘と真実(司法の下で安全は確保されるか)
【ビートシート】
Image1「オープニングイメージ」:「トレーラーハウスでの生活」
裕福ではない生活。主人公のおかれている環境のセットアップ要素を含む。
GenreSet「ジャンルのセットアップ」:「排ガス自殺」
自殺を邪魔することで発生する、事件の予感。緊張感。サスペンス要素。
また、ここで自殺させないというwant要素も含む。
Premise/CQ「プレミス」/「セントラル・クエスチョン」:「真実を述べても安全か」
真実を話すことでどうなるか予想がつかない。自分と家族が守られるにはどうしたらいいのか。子どもの視点で必死にもがいている。
want「主人公のセットアップ」:「家族思いのヤンチャな少年」
オープニングで家庭環境、煙草を吸うヤンチャさをセットアップしている。会話では機転の利く様子が垣間見え、けしてバカではない。
Catalyst「カタリスト」:「車に連れ込まれる」
「排ガス自殺を邪魔する」を能動的カタリストとして取ってもいいが、ジェロームに捕まったことにより死体の隠し場所を知ることになり、後のストーリーが進むことを考えると「車に連れ込まれる」ことが大きなきっかけ(事件)になる。
Debate「ディベート」:「警官との会話」
マフィアに消されることを恐れて嘘をつく。真実を告げるべきか図る。悩みの時。
Death「デス」:「母親にも嘘」
真実を打ち明けるべき母親にも嘘をつく。一方、FBI側は車に残った指紋から主人公が何か知っていると確信を持つ。
嘘をつかない前には戻れない。しかも逃げることもできない状況。
PP1「プロットポイント1(PP1)」:「レジーと出会う」
弁護士をつけることを思いつき、出会ったのがレジー。自分と家族を守るために動き出す。
F&G「ファン&ゲーム」:「FBIとの法的やり取り」
レジーがマークを守る。FBIの横暴さを法律に則り諭す。
Battle「バトル」:「レジーとの信頼関係構築」
Pinch1/Sub1「ピンチ1」/「サブ1」:「殺し屋(グロンキー)」
脅迫するために接触してくる。
MP「ミッドポイント」:「真実を告げる」
レジーを信用し、死体の隠し場所を知っていると告げる。レジーも真実を知り、主人公をマフィアから守るために動き出す。
Reward「リワード」:「信頼」
法廷でレジーの様子を見ながら回答していく。確かな信頼関係が構築されている。
Fall start「フォール」:「家が放火される」
家族の安全が揺らぐ。
Pinch2/Sub2「ピンチ2」/「サブ2」:「殺し屋(グロンキー)」
殺すためにチェイス。
PP2(AisL)「プロットポイント2」:「死体確認へ」
自分と家族を守るために動き出した旅は、証人保護制度という終着点へ動き出す。
それには確実な証人であること=死体が隠し場所にあることが前提となるため、先に死体を確かめようとする。
BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「ボート小屋侵入」
隠し場所に侵入。バリーも死体を動かすために到着。
Twist「ツイスト」:「隣家の警報を作動」
バリーと対峙。撃つかどうかという場面で、レジーが銃を預かり、隣家の警報を作動。バリーは逃走。
Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「死体を確認、取引へ」
証人保護制度が適用されるようになる。レジーは隠し場所と引き換えに、主人公家族にいい条件を追加していく。
Epilog「エピローグ」:「FBIの勝利」「レジーとの別れ」
FBI:死体の隠し場所を知り、マフィアを逮捕できることになった。
主人公:信頼する友人との別れ。
レジー:自身の子どものように入れ込んだ依頼人との別れ。
Image2「ファイナルイメージ」:「飛行機で新天地へ」
保障されている新生活への旅立ち。主人公にようやく訪れる安息。
【作品コンセプトや魅力】
法廷劇、犯罪サスペンス、ヒューマンドラマ、バディ、疑似親子、チェイス、子ども視点の考え方や葛藤、貧困家庭、母子家庭、大人への信用、法の下での安全性、マフィア、ジョエル・シュマッカー監督、アキヴァ・ゴールズマン脚本、小説原作『依頼人』/ジョン・グリシャム著、スーザン・サランドン、トミー・リー・ジョーンズ、ブラッド・レンフロ
【問題点と改善案】(ツイストアイデア)
ヒューマンドラマに寄せすぎており、マフィアやFBI側は薄く描かれている。
そのわりにはヒューマンドラマとして揺さぶられる部分がない印象。ヒューマンドラマを濃くするならば喪失と満ちた部分をもっと描いてほしい。主人公の葛藤やレジーの母性など、心からの感情を感じなかった。
また、マフィア側に疑問が残ることが多すぎる。死体に関してもだが、組織のためと言いつつ冷酷さも熱さもなく、ぬるい。悪としての魅力がない。
その点、FBI側は本音と建前、ジョークなどがあり人間味がある。しかし、段取りの悪さはFBIらしからぬというところ。FBI側で言うと最初に対応してくる警官のスタンスもよくわからない。
魅力的なシーンも多いので、中途半端なサスペンス色を抜いて、ホームアローンのようなテンポで駆け抜けるべきかと思う。
【感想】
「好き」3「作品」3「脚本」3
吹替と字幕、どちらで観ても会話が面白かったです(喩え方が違いました)
特に主人公マークの捻くれたような物言いは、作品の魅力のひとつです。
しかし、会話が面白いだけで物語に感情が乗っていないようにも感じました。設定があるキャラクターが動いているというだけで、生きている人間には思えません。漫画を見ている感覚に近いものがありました。
1994年の作品だと思えば、あまり近年の感覚で観ないほうがいいのかもしれませんが……
(雨森れに、2026/1/16)
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