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※あらすじはリンク先でご覧下さい。
※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。
【ログライン】
新人兵士のストライプは、病気を発症する可能性が高いという「虫けら」を殺すことにやりがいを感じながら任務に励むも、虫けらの持っていた道具により脳のシステムが停止し、虫けらを人間として認識し、助けようとするも捕えられ、記憶を消して再び兵士となることを選ぶ。
【フック/テーマ】SF設定を通した差別意識やプロパガンダへの風刺/見た目の違う人たちへの偏見や憎悪
【ビートシート】

Image1「オープニングイメージ」:「夢の中で微笑む女」
GenreSet「ジャンルのセットアップ」:「脳にチップを埋められた兵士たち」主人公ストライプは、仲間のレイマンに起こされて起床。彼らは兵士で、「虫けら」という敵が近くの村に現れたので出動しなければならず、ストライプは今回が初任務だという。村で聞き込みをしていると、ハイデッガーという変わり者が虫けらを匿っているという情報を得、彼の自宅に向かう。移動中、兵士たちの頭に埋め込まれたマス・システムによる視界制御で、AR的に情報をやり取りすることで、SFであることがセットアップされる。
Premise/CQ「プレミス」/「セントラル・クエスチョン」:「全ての命が神聖だと信じているな」ハイデッガーを尋問中、ストライプたちの教官であるメディナは、ハイデッガーに「全ての命が神聖だと信じているのだろうが、実際は違う」と言う。虫けらたちは高確率で病気を発症するので、人類存続のためには殺すべきなのだと。命の選別や主観によって変わる命の価値、といったテーマを提示。
Catalyst「カタリスト」:「光を浴びる」兵士たちが虫けらと遭遇し、虐殺が始まる。ストライプは非情に、何度も虫けらを刺す。虫けらが持っていた棒を触ると、光を発し、ストライプはそれを浴びてしまう。
want「主人公のセットアップ」:「人類のため」ストライプはハイデッガーに銃を向けるレイマンを止める。彼は人間だから、殺したら後悔する、と。彼はあくまで人類のために兵士になり、虫けらを殺すのが正義だと思っている。
Debate「ディベート」:「映像が乱れる」夢で、冒頭の女性と戯れていたところ、一瞬映像が乱れた。起床後も射撃中に映像が乱れ、腕立て伏せ中にも不調。検査とカウンセリングを受けるも問題は見られなかった。
Death「デス」:「増える自分を見る」夢の中の女が増え、起きると無数簿自分が寝ているのを見る。明らかにおかしい。
PP1「プロットポイント1(PP1)」:「女性と遭遇」虫けらの隠れ家で襲撃を受け、メディナが射殺される。ストライプは不調を感じながらもレイマンと建物の中へ。そこへ虫けらの女性と遭遇するも、ストライプには彼女が人間に見え、逃がそうとする。
F&G「ファン&ゲーム」:「虫けら虐殺」レイマンが女性を射殺し、ストライプは取り乱す。レイマンは構わず、虫けらたちを虐殺していく。
Battle「バトル」:「虫けらと逃走」ストライプはレイマンを殴って気絶させ、自分は撃たれる。そして虫けらの女性カタリナとその子供を連れて逃げるも、車で運転中に気絶し、カタリナに地下の隠れ家に連れていかれる。地下で目を覚ましたストライプはカタリナから、虫けらが怪物に見えてるのはマス・システムによる幻影で自分たちは人間であること、ストライプが浴びたのはマス・システムを誤作動させる機会による光であることを聞かされる。そして、認めたくない思いで葛藤する。
MP「ミッドポイント」:「私が見えてる」カタリナに銃を向けるも、触れられると彼女に大人しく銃を渡す。カタリナ「私が見えてる」
Reward「リワード」:「虫けらへの思いやり」
Fall start「フォール」:「レイマンに追いつかれる」追いついたレイマンにカタリナとその息子は射殺される。
PP2(AisL)「プロットポイント2」:「捕らえられる」レイマンに殴られ、気絶する。
BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「カウンセラーと対峙」尋問室でカウンセラーと対峙し、説得される。ストライプは「虫けらも俺たちと同じ人間だ」と主張し、カウンセラーはそれを認めた上で歴史を引き合いに出し、マス・システムと虫けら虐殺の正当性を主張する。
Twist「ツイスト」:「視覚を奪われる」マス・システムを埋め込む際に契約書にサインした映像を見せられ、そんな記憶がないことに取り乱すと、マス・システムの制御で視界を奪われる。そしてマス・システムの幻影がない状態で過去にストライプが虫けらの男性を刺殺した感覚を再生される。
Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「選択を迫られる」罪の意識を持ったまま牢獄に行くか、記憶を消して仕事に戻るか、選択を迫られる。
Epilog「エピローグ」:「車で自宅に送迎される」
Image2「ファイナルイメージ」:「自宅の前にいるARの女性を見ながら涙を流す」
【作品コンセプトや魅力】
血生臭いバイオレンスやアクション、SFガジェットなどエンタメ的な要素を持たせつつも差別意識への批判が通底している。
【問題点と改善案】(ツイストアイデア)
アクト2に入るまでが長く、映像の乱れといったフリがくどいように感じられ、また、検査のシーンを入れているのに何も分からないなど、虫けらより優位な立場の割に杜撰では? という印象があり、ノイズに感じる。システムの不調を疑わせることに時間を割くよりは、システムそのものの正統性へ疑いを向けるような心情描写を入れた方がテーマを掘り下げられるのではないか。
【感想】
最初の虫けらの遭遇がゾンビのようなモンスターとのバトルのように見えるが、真実が明かされた後だとただの人間への虐殺にしか見えないという点が、そのままテーマを訴えているように感じる。
「好き」3「作品」3「脚本」3
(脚本太郎、2026.4.30)
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