【ライフワーク】(文学#17)

ライターズコアに向き合い、書き続けていくと、それは「ライフワーク」となる。

現代人は、ある時期から生きる意味を考えざるをえなくなった。
けれど、真理や答えは見つからない。不安になる。
「答えなどない」と割り切るには勇気や諦めがいる。なかなかそう思い切れない。

恋をしたり熱中したりするときには「これこそ答えだ!」と生きる悦びを感じる。
けれど、それも永遠には続かない。
いつかは終わるという虚しさや、悦びを謳歌している者への憧れや嫉妬が沸いてくる。

そういう若い時期を経て、燃えても冷めても、こつこつと続けていく人の姿には心を打たれるものがある。

ライフワークは意図的につくるものではない。
これこそが自分のライフワークだと掲げて公言するものではない。
ただ真摯に、自分の人生を生きていくことが、ライフワークに取り組むことである。

それによって売れるとか、評価されるとかは関係ない。
勝手にもて囃す人もいれば、勝手に貶す人もいる。
芸術であれば、死後に評価されることも多分にある。作者の問題ではない。

それでも書かざるを得ない欲求から書き続けられた真摯なものが、他人の心を打たないはずがない。

文章技術や構成だけでは、ぜったいに補い切れないものが、そこにある。
技術や構成は量さえこなせば必ず上手くなる。
しかし、どんなに上手くても「コア」のないものは心を打たない。

何事も続けることが重要で、書き続けていれば技術も上達するし、くり返し現れる「ライターズコア」が、その人のライフワークとなっていく。
下手くそ、くだらない、つまらない、やめてしまえと言われ、評価されることも、ましてや売れることもなく、
それでも書き続けられたものには、技術を越えた何かが、浮かびあがってくる。

緋片イルカ 2019/11/19
2019/11/20推敲

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『【ライフワーク】(文学#17)』へのコメント

  1. 名前:匿名 投稿日:2019/11/19(火) 18:49:22 ID:22bd5e20f 返信

    すばらしい!

  2. 名前:緋片 イルカ 投稿日:2019/11/19(火) 21:09:53 ID:5236ff600 返信

    ありがとうございます。イルカ