ライターズコアに向き合い、書き続けていくと、それは「ライフワーク」となる。
現代人は、ある時期から生きる意味を考えざるをえなくなった。
けれど、真理や答えは見つからない。不安になる。
「答えなどない」と割り切るには勇気や諦めがいる。なかなかそう思い切れない。
恋をしたり熱中したりするときには「これこそ答えだ!」と生きる悦びを感じる。
けれど、それも永遠には続かない。
いつかは終わるという虚しさや、悦びを謳歌している者への憧れや嫉妬が沸いてくる。
そういう若い時期を経て、燃えても冷めても、こつこつと続けていく人の姿には心を打たれるものがある。
ライフワークは意図的につくるものではない。
これこそが自分のライフワークだと掲げて公言するものではない。
ただ真摯に、自分の人生を生きていくことが、ライフワークに取り組むことである。
それによって売れるとか、評価されるとかは関係ない。
勝手にもて囃す人もいれば、勝手に貶す人もいる。
芸術であれば、死後に評価されることも多分にある。作者の問題ではない。
それでも書かざるを得ない欲求から書き続けられた真摯なものが、他人の心を打たないはずがない。
文章技術や構成だけでは、ぜったいに補い切れないものが、そこにある。
技術や構成は量さえこなせば必ず上手くなる。
しかし、どんなに上手くても「コア」のないものは心を打たない。
何事も続けることが重要で、書き続けていれば技術も上達するし、くり返し現れる「ライターズコア」が、その人のライフワークとなっていく。
下手くそ、くだらない、つまらない、やめてしまえと言われ、評価されることも、ましてや売れることもなく、
それでも書き続けられたものには、技術を越えた何かが、浮かびあがってくる。
緋片イルカ 2019/11/19
2019/11/20推敲
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