映画『デスパレード・ラン』(三幕構成分析#204)

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※あらすじはリンク先でご覧下さい。

※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。

※この分析は「ライターズルーム」メンバーによるものです。

【ログライン】

エイミーのランニング中に、息子の高校で立てこもり事件が発生し、現地に向かいながらスマホを駆使して息子の救出を計る。

【ビートシート】

Image1「オープニングイメージ」:「セラピーのモノローグ」
大切な人との記憶を思い出しながら今を生きることを提案するセラピー。
ファイナルイメージ、ノアの動画で銃社会について訴えている部分のフリ。

GenreSet「ジャンルのセットアップ」:「息子との関係」「ランニング」
息子と関われないという悩み。エイミーが走りに行く。

Premise「プレミス」:「ヘザーのセリフ」
「ノアはあなたを愛している。あなたは偉大な母だもの」

want「主人公のセットアップ」:「夫に先立たれた2児の母」
夫に先立たれてから人付き合いを絶ち、子どもたちに向き合っている。

Catalyst「カタリスト」:「ノアの高校で事件発生」
ノアは学校を休んでいるので、エミリーの無事を確認。

Debate「ディベート」:「ノアがトラックで家を出た」
家にいるはずのノアがトラックで外出したことを聞く。

Death「デス」:「移動手段は自分の足のみ」
家に確認しにいくには8キロの距離。事件関係の家族の待機場所である公民館は6キロ。

PP1「プロットポイント1(PP1)」:「公民館に走り出す」
迎車を呼びつつも公民館へ向かう。

F&G「ファン&ゲーム」:「スマホでの情報収集」
走りながらも、警察、友人、車屋、自身の会社、母親、SNSにニュース。道案内……各所に連絡を取りつつも様々なコンテンツで情報を集めて先に進む。

Battle「バトル」:「ノアの状況」
ノアが学校にいる。ノアが犯人かもしれない。情報を集めながら真相に近づいていく。

Pinch1/Sub1「ピンチ1」/「サブ1」:「CJ」
CJがノアのトラックが学校にあることを確認する。

MP「ミッドポイント」:「味方になる」
犯人かもしれないと思い、伝言を残す。

Reward「リワード」:「お兄ちゃんを迎えに行く」
エミリーと電話でアノアを迎えに行くと話す。

Fall start「フォール」:「他の車も調べられている」
ノアの車だけではなくなる。

Pinch2/Sub2「ピンチ2」/「サブ2」:「CJ」
CJが車屋の情報を元に犯人候補を割り出す。

PP2(AisL)「プロットポイント2」:「ロバートに電話」
犯人がほぼ確定したため、電話する。

DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「警察の警告」
勝手な行動を咎めれる。息子の命を危険にさらしてしまったと自覚する。

BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「時間稼ぎ」
犯人と話せたのがエイミーだけだったため、エイミーが突入までの時間を稼ぐことに。

Twist「ツイスト」:「ノアとテレビ電話」
逃げているノアからテレビ電話が来る。今生の別れのような内容になる。

Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「ノアの生還」
ノアがエイミーの元へ。

Epilog「エピローグ」:「ありがとう」
日常に戻り、だんまり気味だったノアからエイミーへ感謝の言葉が出る。

Image2「ファイナルイメージ」:「ノアの動画」
大切な人を奪う、銃社会への訴え。

【作品コンセプトや魅力】

THE GUILTYのような限られたシチュエーションで進んでいくスリラー作品。
スマホの使い方。親子の絆。銃社会への訴え。

【問題点と改善案】

銃社会への訴えとしては弱く(おそらく家族を丁寧に描いた弊害)、最後の動画が取ってつけたような雰囲気になってしまっている。
父親が撃たれるシーンや銃を憎んでいる表現を前半で取り込めれば、より強いアピールになると思う。

【感想】

「好き」4「作品」4「脚本」4
このタイプの映画は「小説の延長線上」にあるような気がします。
悪いと言う意味ではなく、セリフひとつひとつに意味があり、のめり込める要素だと思います。
のめり込んでいた分、最後の動画でしらけてしまいました。

(雨森れに、2024.7.12)

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