※あらすじはリンク先でご覧下さい。
※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。
【ログライン】
配管工として名を馳せ、父に認められたいマリオブラザーズは、異世界に迷い込む。ピーチと出会ったマリオはクッパに囚われたルイージを助けるために、ドンキーコングらと協力して、クッパと闘い勝利。父にも認められる。
【フック/テーマ】
ゲームの映画化/兄弟の絆
【ビートシート】
Image1「オープニングイメージ」:「威勢のいいクッパ」
クッパはペンギンの王国を襲撃。スターを手にする。
GenreSet「ジャンルのセットアップ」:「マリオブラザーズのCM」
聴き馴染みのある音楽と共に、マリオとルイージを紹介するCMが流れる。これにより、世界観が提示され、兄弟の職業が配管工であるとわかる。
Premise/CQ「プレミス」/「セントラル・クエスチョン」:「弟を救い出し、平和を守ることができるのか」
want「主人公のセットアップ」:「父や家族に認められていない」
CMを褒められたかったが、何ひとつ認められない。何もできないと言われていることに嫌気が差している。
Catalyst「カタリスト」:「ドカンに吸い込まれる・ルイージとはぐれる」
ドカンに吸い込まれたマリオは、ルイージとはぐれてしまう。マリオはキノコ王国に、ルイージはダークランドへ辿り着く。
Debate「ディベート」:「トレーニング開始」
ピーチから旅に出る為の試練が課される。何度も失敗を繰り返し、上達していく。クリア目前までいくが、最終的に失敗に終わる。
Death「デス」:「ルイージが連行される」
ヘイホーに捕らえられたルイージは、わけもわからぬままどこかに連行されてしまう。
PP1「プロットポイント1(PP1)」:「ピーチと共に、旅に出る」
マリオはルイージを助けるために旅に出ることとなる。
F&G「ファン&ゲーム」:「旅の道中、景色を堪能」
マリオはピーチ・キノピオと共に旅に出る。その道中、絶景を見る。ピーチは誰にも奪わせないと決意を固める。
Battle「バトル」:「ファンキーコングとドライブ/クランキーコングと面会/VSドンキーコング」
Pinch1/Sub1「ピンチ1」/「サブ1」:「なし/クッパによる、ピーチへのラブソング」
MP「ミッドポイント」:「ドンキーコングに勝利」
劣勢を強いられた状況から諦めずに挑み続けたマリオは、アイテムを頼りに、ドンキーコングに勝利に勝利する。
Reward「リワード」:「カートを手に入れる」
カートを手に入れたマリオたちは、ドンキーコングらと共に秘密のコースを使い、キノコ王国へと戻る旅を進める。
Fall start「フォール」:「クッパチームの奇襲」
秘密のコースを走行中のマリオたち。そこにクッパチームが襲い掛かり、窮地に陥る。そしてマリオとドンキーコングはコースから滑落。海に落ちてしまう。
Pinch2/Sub2「ピンチ2」/「サブ2」:「なし/クッパによる、ピーチへのプロポーズ練習」
PP2(AisL)「プロットポイント2」:「ピーチ、クッパに脅され、結婚を承認する」
キノピオを人質に取られたピーチは、守るためにクッパと結婚することを承認。クッパと共にクッパ城に足を踏み入れる。
DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「海の生物の体内で、行き場を失いへこむマリオとドンキーコング」
喧嘩をしていると、壊れたカートを見つけ、脱出に成功する。
BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「クッパ復活」
クッパはマギナムキラーを解き放ち、キノコ王国をぶち壊そうとする。マリオは阻止しようと飛び立つ。
Twist「ツイスト」:「戦いの舞台が、ブルックリンに移る」
マグナムキラーをドカンにぶち込んだことで、マリオやピーチ・ルイージたちは全員ブルックリンに移される。そしてブルックリンを舞台に、マリオはルイージと共にクッパに立ち向かう。
Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「クッパを倒す・両親や街から称えられる」
こうして、マリオの当初からのwant(=認められたい。有名になりたい)が達成される。
Epilog「エピローグ」:「キノコ王国で平和に暮らすマリオとルイージ」
Image2「ファイナルイメージ」:「囚われのクッパによる、ラブソング」
エンドロールの合間に挟まれるクッパの歌。冒頭のような権威はもうない。
【作品コンセプトや魅力】
誰もが一度は経験したことがあるだろうゲームをミニオンのチームが完全映画化。スーパーマリオブラザーズのコースや、マリオカートを意識したシーンもあり、面白い。また随所に聴き馴染みのある音楽も差し込まれ、マリオの世界観を存分に堪能できる。
【問題点と改善案】(ツイストアイデア)
PP1がかなり遅く、なかなか旅に出ない印象を受けた。そもそも現実世界から異世界に迷い込むまでも遅い。配管工としての初仕事で犬とバトルするシーンなど、冗長で必要があったのかとさえ思ってしまう。「マリオがルイージを守るという性格を強調する」「仕事がうまくいかない」ことを示すシーンだと考えられるが、それ以前のシーンからでも推察できる。安直だが、謎の依頼が来てそこでドカンに吸い込まれるとかでもいいように感じる(謎の依頼とは何かを明かす必要はあるが)。そもそも、マリオに弱さは必要だったのか。その点を排除して、ドカンに吸い込まれ異世界に行くまでを早くすれば、異世界でのバトルをもう少し描けたのではないかと惜しいように感じた。
【感想】
とはいえ、ACT1に尺を割いた結果、ACT2とACT3の目まぐるしく変わる展開を生み出すことが可能となったともいえるだろう。そのテンポ感はまさにゲームをしているようで、飽きがこない。常に楽しめるのが魅力的だった。
ただ、マリオを含め登場人物の変化が弱く、人間ドラマとしての魅力はほぼない。そもそもマリオ自身が悩むのかといった問題もあり、私は初見の時、「マリオってこんなキャラだったっけ?」と違和感を抱いたことを覚えている。だからこそ問題点にも挙げたように、マリオの弱さを描く必要性は見出せず、浮いているように感じた。
ゲーム感覚で楽しめる作品という観点で見れば、満点だ。それだけで十分に成功している作品といえるだろう。次回作の公開が決定している中、どのような広がりを見せるのか、期待している。
「好き」5「作品」5「脚本」4
(山極瞭一朗、2025/11/28)

