【固定】映画『ジョーカー』(三幕構成分析#293/WR分析会)

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※あらすじはリンク先でご覧下さい。

※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。

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【ログライン】

突発的に笑ってしまう持病がありながらも母の介護やパフォーマンスの仕事に勤しむアーサーは、同僚から貰った拳銃で暴行を加えてきた証券マンを射殺したことで吹っ切れ、夢だったコメディアンを本格的に目指したり、父親探しをしたり、恋人を作ったりと社会と対峙していくが、母親の話が嘘であったり、恋人が幻覚であったり、憧れのコメディアンから馬鹿にされたりといった形で裏切られ、ジョーカーとして覚醒し、悪のカリスマとして暴徒たちに祭り上げられる。

【フック/テーマ】ジョーカーの過去/社会の生きづらさ、恵まれないものの心情を恵まれた人間は理解できない(その逆も)

【ビートシート】

Image1「オープニングイメージ」:「少年たちから暴行され、倒れたアーサー」ピエロのパフォーマンスの仕事をしているアーサーは、不良少年たちに看板を盗まれ、追いかけたところでリンチにされる。倒れたアーサーを背景にタイトルが出る。

GenreSet「ジャンルのセットアップ」:「少年たちによるリンチ」バイオレンス、サスペンスであることをセットアップ。

Premise/CQ「プレミス」/「セントラル・クエスチョン」:「狂っているのはぼくか、それとも世界か?」世界との向き合い方、狂気の捉え方などを巡るストーリー。

want「主人公のセットアップ」:「コメディアンになりたいんだ」市の福祉によるカウンセリングで、カウンセラーに日記を見せる際、『コメディアンになりたいんだ』と打ち明ける。彼は日記にジョークのネタなども書いていた。カウンセリングの最後に『辛いのはたくさんだ』という切実な気持ちを打ち明けるが、町の治安や貧富の差は酷い状況である。帰宅中のバスの中で、アーサーは神経の損傷から突然笑い出す病気を患っていることが明らかになる。帰宅後、アーサーと二人で暮らし、世話を受けている母親からトーマス・ウェインから手紙の返事があったかを訊かれる。母親は何度もその男に助けを求める手紙を出しているようだ。

Catalyst「カタリスト」:「ランドルに銃を貰う」少年たちにリンチにされた話を聞いた同僚のランドルに拳銃を貰う。断るも押し付けられる。

Debate「ディベート」:「銃暴発」好きな芸人、マレーの番組を見ながら拳銃で遊んでいると、暴発してしまう。また、それ以外にも黒人の女性ソフィーとの出会いや、仕事をクビになるなどの、アーサーを惑わす出来事が色々と起きる。

Death「デス」:「証券マン殺害」電車の中で絡んできた証券マン三人を射殺し、駅から逃げる。逃げた先で踊り出す。

PP1「プロットポイント1(PP1)」:「漫談に出演」証券マンを射殺したことで何か吹っ切れたのか、コメディアンになるための具体的な行動として、漫談に出演する。初めは持病の発作で危ぶまれるも、最終的にはウケる。

F&G「ファン&ゲーム」:「この街のヒーローよ」帰り道、自分の事件が新聞記事になっているのを目撃。漫談を観に来ていたソフィーから『この街のヒーローよ』と言われる。通りすがる車の中にいたピエロの仮面を被った男と目が合う。

Battle「バトル」:「社会や自分の過去や未来と向き合い、戦う」母の手紙に、ウェインが自分の父だと書かれていたのを見て、彼に会うが否定されて殴られる。刑事が取り調べに来たことで母が倒れて入院してしまう。マレーのショーで自分の漫談が笑い者にされるのを見てしまう。

MP「ミッドポイント」:「マレーの番組に招待される」自暴自棄になり冷蔵庫に入ってしまった(何故?)ところで電話が掛かってきて、先日の漫談の評判が良かったとのことで、マレーの番組に招待される。

Reward「リワード」:「マレーの番組への出演権」

Fall start「フォール」:「母の過去を知る」精神病院で母の記録を奪い、その過去を知ってしまう。アーサーは養子で、父から暴力を、母からはネグレクトを受けていた。

PP2(AisL)「プロットポイント2」:「母を殺害」入院中の母に「何がハッピーだ。幸せなどなかった。ぼくの人生は喜劇だ」と言い残し、枕を押し付けて殺害する。

DN「ダーク・ナイト・オブ・ザ・ソウル」:「ピエロのメイク」音楽を聴きながら、楽しげにピエロのメイクをする。

BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「ランドルとゲイリーが訪ねてくる」メイクの途中で、元同僚のランドルとゲイリーが酒を持って訪ねて来る。ゲイリーはアーサーを心配していたが、ランドルは証券マンを殺害したのはアーサーだと気付き、自分が拳銃を渡したのを警察に話さないよう口裏あわせを頼みに来たようだ。アーサーはランドルを殺害し、ゲイリーは逃がす。

Twist「ツイスト」:「逃走劇とマレー殺害」ジョーカーとして覚醒したアーサーが階段で謎のダンスを踊っていたところ刑事二人がやってきて逃走劇が始まる。電車内で刑事たちがデモ参加者たちにリンチにされたことで事なきを得る。その後アーサーはマレーの番組に出演し、世の中のおかしさを主張して、自分を馬鹿にしていたマレーを射殺。

Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「暴徒たちに祭り上げられる」マレー殺害をきっかけに街で暴動が巻き起こる。そんな中逮捕されたアーサーは警察に護送されていたが、暴徒たちの襲撃で助け出され、祭り上げられる。

Epilog「エピローグ」:「理解できないよ」精神病院のような場所で笑っているアーサー。看護師のような女性にどうしたのか訊かれ、「ジョークを思い付いた」と言う。そしてその内容を訊かれるも、今度は「理解できないよ」と。

Image2「ファイナルイメージ」:「血みどろでコミカルに逃げ回るジョーカー」看護師を暴行したのか殺害したのか、血みどろで歩いていたアーサーは職員に見つかり、コミカルに逃げ回る。

【作品コンセプトや魅力】

ジョーカーという人気キャラクターのルーツを、人間味のある過去として描いている。本来共感不可能な狂人を、元々は人間らしい弱者だったという設定にすることで共感させ、社会や世の中の矛盾を説いている。

【問題点と改善案】(ツイストアイデア)

アクト2が何の話なのかが曖昧なように思った。自分のかこや社会といった現実との対峙なのだとは思うが、証券マン射殺してコメディアンとして人前に出る勇気が出たということなのだとしたらあまりピンと来なかった。父親探しをメインにした方がスッキリする印象。

【感想】

構成的にはイマイチな部分もあるが、個人的には勢いがあってかなり好きだった。映画そのものではなくジョーカーに対するイメージの違いでも好き嫌いが別れそう。ぶっ飛んだキャラクターなだけあって扱いが難しそうだと思った。
「好き」5「作品」4「脚本」3

(脚本太郎、2026/5/28)

分析会にて

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イルカより

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イルカの過去の分析
映画『ジョーカー』(三幕構成分析#30)

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