プロットを考える13「ピンチ1」

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前回はアクト2に入ってからのビート「バトル」について考えました。
アクト2で、これと同様にもう一つ、重要なビートが今回の「ピンチ」Pinchです。

「ピンチ」は、日本人がよく浮かべるような「金欠でピンチ」という危ないという意味ではなく「挟む」という意味でのピンチです。
この言葉は『素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック シド・フィールドの脚本術2』で使われています。
何を挟むのかといえば、ミッドポイントを挟む形で前後にありますので、便宜上「ピンチ1」「ピンチ2」と呼び分けています。
このタイミングでサブプロットが始まったり、新しい登場人物が出てくると書かれています。

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』(以降『CAT』)では「Bストーリー」となっています
「サブプロット」と「Bストーリー」は全く同じです。
前回、説明した「お楽しみ」と同様、ざっくりとシークエンスを1つのビートにしてしまっているのが『CAT』の欠点です。
これだと創作に利用するときに活用しづらくなってしまうのです。

「サブプロット」というのは、アクト1から追いかけてきた主人公の「旅」を「メインプロット」と呼び、それとは違うもう一つのストーリーです。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で言えば、メインプロットがマーティが未来へ帰ることで、サブが両親の仲をとりもつことです。
サブプロットの始動は、マーティが父親の代わりに事故に遭うことから始まりますので、そこがピンチ1となります。
ミッドポイント後の「ピンチ2」のタイミングでは過去のドクと会うので、新しい人物登場です。
『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』では「ピンチ1」でハン・ソロが登場し、ミッドポイント後の『ピンチ2』ではレイア姫が登場しています。

このようにピンチは「バトル」の間に入って変化をつける役割をしています。(イルカ🐬)

★まとめ:
・「ピンチ」はミッドポイントを挟んで、前後に2つある。
・サブプロットに関することや、新しい登場人物のタイミングになる。
・ピンチ1とピンチ2はフリとウケのようになっていることも多い。

イルカの音声解説はこちら(※しまうまさん抜きで録音しています)

音声解説のyoutube版はこちら

素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック シド・フィールドの脚本術2
Posted with Amakuri at 2018.11.28
前述したとおり、ピンチに関する説明はこの本にあります。 詳しく知りたい方はこちらをお読み下さい。

※参考:「ピンチ」再定義・呼称変更(中級編22)

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