https://www.netflix.com/title/82699221
※あらすじはリンク先でご覧下さい。
※分析の都合上、結末までの内容を含みますのでご注意ください。
【ログライン】
寂びれたバーの店主は、タダ酒にありつこうとする客に対しのど自慢対決を提案し、勝負を見守るが、客たちの歌に心が動き、自ら亡き妻に対する想いを歌い上げる。
【フック/テーマ】
のど自慢対決/歌に想いを込める
【ビートシート】

Image1「オープニングイメージ」:「なし」
GenreSet「ジャンルのセットアップ」:「客たち」
客たちが日ごろの思いを喋っている。日常、ヒューマンドラマのセットアップをしつつ、場所のセットアップをしている。
Premise/CQ「プレミス」/「セントラル・クエスチョン」:「心から歌えるか」
want「主人公のセットアップ」:「バーの店主」
最低限の秩序を守る店主。歌うオモチャを飾り、歌える常連を知っている。
Catalyst「カタリスト」:「ビールをたかる青年」
秩序を乱す人物の登場。
Debate「ディベート」:「のど自慢を提案」
追い出すのではなく、ビールを得る手段としてのど自慢を提案する。
ただし、青年がすぐのっているのでディベートとしての機能は弱い。あえて取るならここ。
Death「デス」:「賞金確定」
賞金100ドルに対戦相手の老人がやる気になる。日常の死。
PP1「プロットポイント1(PP1)」:「勝負開始」
わかりやすくアクト2へ移行。
F&G「ファン&ゲーム」:「歌」
店全体を巻き込んだのど自慢大会に。
Pinch1/Sub1「ピンチ1」/「サブ1」:「巨漢男」
歌いたそうだが参加を拒否する。
MP「ミッドポイント」:「老人が歌う」
圧倒的な歌声を聞かせる。
Fall start「フォール」:「青年が弾き語り」
老人とは違うテイストで聞かせる。
Pinch2/Sub2「ピンチ2」/「サブ2」:「巨漢男が店外へ」
PP2(AisL)「プロットポイント2」:「勝負は引き分け」
勝負(アクト2)の終了。
BB(TP2)「ビッグバトル(スタート)」:「店主が歌いだす」
歌声に感化され、亡き妻への想いを歌う。
Big Finish「ビッグフィニッシュ」:「抱擁」
店主の心を打つ歌声と涙に客たちが集まり、抱擁する。歌が人の心を動かす。
Epilog「エピローグ」:「巨漢男が歌う」
いつの間にか戻ってきた巨漢男。みなの歌声に勇気を貰いオペラを歌う。
Image2「ファイナルイメージ」:「なし」
【作品コンセプトや魅力】
歌唱力の高い役者、現代アメリカのさびれたバー、人々が抱えるうっ憤や不安、男性の孤独、歌に感情を乗せる、第98回アカデミー賞 短編実写賞、SNSで役者発掘、イワン・ツルゲーネフ作品がベース、脚本無しの即興演技、サム・デイビス監督、原作と本作に通じるログライン「田舎の酒場に人々が集まり、歌のコンテストが行われる。一人の男の歌声が周囲の人々の魂を揺さぶり、深い静寂と感動が生まれる」
【感想】
「好き」4「作品」5「脚本」3
歌で見せる短編映画でした。
雰囲気がとてもよく、バーの内装も凝っていて世界観に入り込めました。
分析をする上で主人公が誰か探したのですが、少し難航しました。変化のある人物であり、早い段階から写っていて、しかも写っている時間が長い。この点で考えると巨漢男がしっくりくる気がしましたが、メインストーリーから外れている……こうなるとバーの店主しかいない。登場は少し遅めですが、ログラインも取りやすかったです。
作品のあらすじとしては主人公を「客たち」としてひとまとめにしていますが、私は店主が主人公だと感じています。
なぜこのような現象が起こったかと言うと、キャラクターの掘り下げがされておらず、脚本のない即興演技を繰り返して作られた作品だからだと思います。それがこの作品の良さでもあります。
魂を込めた歌と圧倒的歌唱力、そして撮り方を楽しむ18分でした。
(雨森れに、2026/4/4)
