ログラインを考える5「まとめ」

初心者の方はこちらからどうぞ→初心者向けQ&A①「そもそも三幕構成って何?」

「ログラインを考える」のリストはこちら

「物語論」すべてのリストはこちら

前回までの内容をまとめてログラインを完成させます。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
①歴史を変えたいという思いを抱えたロックを愛する高校生マーティ・マクフライは、②デロリアンに乗って30年前にタイムスリップし、自分が消えないよう両親の恋をとりもち、③未来に戻ってくる。

『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』
①田舎暮らしで星から出たいと思う青年ルーク・スカイウォーカーは、②フォースを学びながらレイア姫を救出し、デス・スターを破壊して、③勝利をおさめる。

『トイ・ストーリー』
①持ち主のお気に入りでありたい人形ウッディは、②ライバルのバズとともに街にとりのこされ、家を目指して冒険し、ぎりぎりのところで引っ越しのトラックに乗り込み、③持ち主とオモチャの仲間達の元へ帰る。

表現などには異論もあるかと思いますが、あらすじや宣伝文句ではなくて、ストーリーのログラインです。重要なのは、どれもが以下の共通構造を持っていることです。

①「○○したい」主人公が、
②「ミッション」=「旅」を乗り越えて、
③「ラスト」はどうなる。

簡潔に言えば「誰が、何して、どうなる」となります。
ラストまで見た観客が自由に解釈するものが「テーマ」です。
これらはストーリーの基本構造であり、どんなものでも当てはまります。

また、ログラインにはそれぞれ「デロリアン」「フォース(ライトセーバー)」「オモチャ達」という「フック要素」が入っています。
「テーマ」については物語の結論を描いたことで観客が自由に受け取るものです。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のラストではマーティとビフの立場が反転したり人間関係などが大きく変化していますが、タイムスリップものの定番ルールである「歴史を改ざんしてはならない」をあっさりと犯しているところを笑うか、ルール違反だと憤るかは観客の自由ですし、ときには評論の仕事です。作者の仕事はテーマを押しつけることではなく、きちんと「ラスト」まで描くことです。

ログラインについては以上です。
今後は構成、ビートシート、キャラクターについてなどを考えていきます。

イルカとウマの音声解説はこちら

音声解説のyoutube版はこちら

音声解説で話しているタケシくんの物語のプロットがこちらにあります。

「プロットを考える」シリーズはこちら

「プロットを考える」の過去のリストはこちら

構成について初心者の方はこちら→初心者向けQ&A①「そもそも三幕構成って何?」

三幕構成の書籍についてはこちら→三幕構成の本を紹介(基本編)

三幕構成のビート分析実例はこちら→がっつり分析シリーズ

文章表現についてはこちら→文章添削1「短文化」

文学(テーマ)についてはこちら→文学を考える1【文学とエンタメの違い】

キャラクター論についてはこちら→キャラクター概論1「キャラクターの構成要素」

「物語論」すべてのリストはこちら

このサイトの紹介はこちら

SNSシェア

フォローする